丹波篠山2011/05/05 21:05

兵庫県の丹波篠山。丹波の黒豆などで有名で、名前はよく聞きますが、まだ一度も行ったことがありませんでした。昨年、ここに息子が転勤になったので、ゴールデン・ウィークを利用して、息子に会いがてら、見て回ろうと思い立ちました。

初日は駅近くでレンタカーを調達。立杭(たちくい)焼で有名な立杭を訪れました。お目当ては丹波伝統工芸公園「陶の郷」。一般的な展示館かと思って来ましたが、「窯元横丁」という建物に入ってびっくり。50を超える窯元がそれぞれブースを構えて出品、展示即売しているのです。いや~、これは楽しい。つい夢中で湯飲み茶碗やぐい呑みを物色してしまいました。ひとくちに「丹波焼」「立杭焼」と言っても窯元によって作風や技法が異なり、見ているだけでも飽きません。

丹波焼き

二日目は篠山市街の名所・旧跡巡り。さすがに城下町だけあって、メインストリートの商店街や町並みには歴史を感じさせるものがあります。ギャラリーもいろいろ開催されていて、文化的な活動が盛んな土地柄であると感じました。この日に回った主な施設は次のとおり。

・丹波杜氏酒造記念館・・・酒造りの行程や丹波杜氏の由来が学べました。
・大正ロマン館・・・中はレストランとおみやげもの屋さん。ここで朝食をとりました。
・篠山歴史美術館・・・・元裁判所。当時の法廷が遺されており、裁判官に扮してみました。
・春日神社・・・奈良の春日大社の出先神社。あまり手入れされてなくて、風雪を感じさせます。
・青山歴史村・・・篠山藩の古文書や版木を展示。学問に力を入れていたことが伺われます。
・篠山城跡・・・お城といえば天守閣なのに、篠山城は最初から天守閣がなかったそうです。
・武家屋敷群・・・観光用の展示建築物ではなく、今でも人が住んでいるのにびっくり。
・安間家資料館・・・建物の造りは、実家とあまり違わなかったような・・・。

篠山歴史資料館

丹波篠山やその界隈を含め、こんなに見所が豊富なところとは知りませんでした。今回見逃したところがまだまだありますので、機会があればまた訪れたいエリアです。

国立科学博物館付属自然教育園2011/05/14 17:45

白金台にある国立科学博物館付属「自然教育園」に行ってきました。庭園美術館の奥に広がるこの自然教育園は、まさに都会の中のオアシス。約6万坪の敷地内は、自然がそのまま残されており、まるで原生林を歩いているような安らぎを感じます。

原生林

ここは「自然教育園」というだけあって、遊歩道から見えるほとんどの樹木や草花に名札が付けられています。「雑草」という名の草はない、とおっしゃったのは昭和天皇だったと思いますが、ただの草、ただの木として見過ごしてしまうようなものにも、ひとつひとつ、名前があります。とても覚えきれるものではありませんが、命名の由来を尋ねたくなるような、おもしろいものもありました。
「ひとりしずか」「くらら」「あぶらちゃん」といったメルヘンチックな名前がつけられた草木はラッキー。「なわしろぐみ」とか「われもこう」「のかんぞう」といった名前だと、任侠道の世界かと勘違いしてしまいます。

のかんぞう

園内には池や湿地帯があり、水生植物園ではちょうどアヤメやカキツバタが咲いていました。さて下の写真はどちらでしょうか。

かきつばた

答えは「カキツバタ」です。

器・うす沢2011/05/15 18:03


神楽坂の中ほど、袖摺坂を上ったところに尾崎紅葉の旧居跡があります。「うす沢」は、その路地の奥まった突き当たりにありました。お店というより普通の民家です。靴を脱ぎ、勝手口のような玄関を通って部屋の中に入ると、箪笥や畳の上に所狭しと和食器が並べられていました。そんな素朴なスタイルにまた一種の味わいが感じられるのが、神楽坂という土地柄なのでしょうか。
隣の洋間は貸しギャラリー。きょうは手作りのガラスの器が並んでいました。安土忠久という方の作品とありました。厚手で重みがあり、ほんのわずかに黄色味を帯びています。ガラスというより、「びいどろ」といった響きの方が似つかわしく感じられます。こんな器もいいなあ、と思いつつ、きょうは見るだけにしました。帰りぎわに、「クラシックギターの演奏会もやっています」とお店の人。う~ん、さすが神楽坂、奥が深い。

生田緑地バラ苑2011/05/21 22:30

ここのバラ苑がテレビで紹介されていたのがたまたま目に入り、ネットで調べてみました。場所は向ケ丘遊園。その昔、子供がまだ小さかった頃に何度か行ったことがあります。遊園地はもう閉鎖されてしまいましたが、バラ苑が春と秋に開園するというので、久しぶりに行ってみることにしました。駅から徒歩でバラ園まで約15分。でもその歩道にもバラの植栽が続き、目を楽しませてくれます。
歩道のバラ

到着したバラ苑は、緑に囲まれた西洋庭園。かなりの広さがあります。最初は、バラ苑を見てから生田緑地と岡本太郎美術館に行こうと思ってましたが、そのプランは早々に放棄し、バラ苑に専念することにしました。それでもゆっくり見て回っていたら最後は時間が足らず、閉園時間のアナウンスに急かされて駆け足で回ることに。

バラ苑景観

青いバラはないかなと思って探したら、ありました。その名もブルームーン。さすがに真っ青とはいきませんが、青みがかったバラというのはなんだかミステリアスな存在です。

ブルームーン

バラの優雅さはやはり貴婦人に喩えられるのがふさわしい。いや、優雅な貴婦人はバラに喩えられるのがふさわしい、というべきですね。伯爵の奥方や令嬢に捧げられたと思しきネーミングのバラがたくさんありました。それぞれが華麗、清楚、重厚、可憐、豪華。きっと、その人のイメージにぴったり重なるように、品種改良が重ねられたのでしょう。下のバラは「カトリーヌ・ドゥヌープ」。

カトリーヌ・ドゥヌープ

日本で作られたバラもあるようです。下のバラの名前は金閣。なるほど、黄金のような光沢感のある黄色に、直線的に重ねられた花弁が金閣寺の佇まいを彷彿とさせます。

金閣

バラの品種が多いのは知っていましたが、ここまで多くの品種を見られるバラ苑はそうそうないのではないでしょうか。大満足の一日でした。

コレット